宿泊の電話予約をどう販売するべきか

電話予約

レベニュー・マネジメントのトレーニングの中で、競合ホテルの電話予約受注方法を確認することがあります。そうすると、今の電話予約の販売方法には大きく3つのタイプがあることが分かります。
電話予約料金(TEL料金)、正規料金、WEB料金に分けて上記の3つのタイプを整理すると、以下の通りとなるようです。

  1. 電話予約は正規料金で販売 正規料金=TEL料金>WEB料金
  2. 電話予約は専用料金で販売 正規料金>TEL料金>WEB料金
  3. 電話予約はWEB料金で販売 正規料金>TEL料金=WEB料金

※ ここでいう電話予約の料金は、企業契約や会員料金などではなく誰でも予約できる一般料金です。

さて、電話予約をどう販売する方が良いかと言えば、圧倒的に

「電話予約はWEB料金で販売 正規料金>TEL料金=WEB料金」

をお薦めします。
お薦めの理由を説明する前に1.2.の方法の問題点を挙げてみましょう。

電話は正規料金で販売するのが間違いの理由

レベニュー・マネジメント(RM)は「需要予測を基に 販売を制限することで 収益の拡大を目指す 体系的な手法」と説明しています。需要が高ければ販売を制限し、需要が低ければ制限を緩めるのが基本で、制限には料金の上げ下げが含まれます。

この需要は、主にお客様の種類毎に考えることになります。
ビジネス目的のお客様は平日の利用が中心ですし、レジャー目的のお客様は週末や夏休みなど学校が休みの時期の利用が中心となります。この様にお客様の種類ごとに需要のピークは異なります。

一方で、予約経路と呼ばれる「どうやって予約するか」という方法には、主に 直接予約(電話や来館)、WEB予約、旅行代理店からの予約の3つがありますが、経路ごとに需要のピークは(それほど大きな)違いはありません。
リゾートホテルで考えてみるとよくわかるのですが、夏休みには直接予約もWEB予約も旅行代理店からの予約も増えるのです。

需要が同じなら料金が同じになるのがRMですから、電話予約を正規料金で販売するのはRMの観点からは間違いとなります。
電話予約を正規料金で販売すると、需要が低い時期に正規料金で販売するとお客様を逃がすことになり、結果稼働率をのばすことが出来なくなる、となるデメリットが大きいです。

この販売方法はマーケティングや顧客満足の面からも問題があります。
以前は「電話予約してくる人はWEBを見ていないから、高く販売しても大丈夫」という考えの方もいらっしゃったようですが、今やスマートフォンの時代、WEBを見ながら電話予約をしてくる方は少なくありません。

そんなお客様に正規料金を伝えるとどうなるか・・・
予約が取れないことはもちろんですが、電話予約を正規料金で販売することで「お客様に不誠実なホテル」という口コミが広がるリスクもあるのです。実際にTwitterやFacebook、トリップアドバイザーなどにその手の口コミが見られます。気になる方は「ホテル 電話 高い」で検索してみてください。

 

電話専用料金での販売をお薦めしない理由

RMの考え方からWEBも電話予約も同じ需要として販売するが、電話予約には手間がかかるから専用料金で販売しようという考え方は、あながち間違いではありません。
実際に沖縄のかりゆしLCHでは「電話予約は1泊あたり220円の手数料が必要」と公式サイトに明記(2014年9月19日時点で確認)しています

それでもお薦めしない理由があるのです。

電話予約を専用料金で販売すると、コントローラーは電話予約とWEB用の料金の両方を作成し、指示する必要があります。
「電話予約はWEBより200円UP」という簡単な物であればまだ良いのですが、電話予約は5段階の料金、WEB予約は10段階の料金・・・となると管理の難易度・手間は跳ね上がります。

一番の手間は予約担当者に掛かります。
お客様がWEBを見て予約をしてくることが多い以上、料金が違えばその理由を説明しない訳にはいきません。その説明をする間に、WEBと同じ料金で予約を受け付けてしまう方が早いと思います。

しかも、「それはWEBの料金だからWEBから予約してください」と断ることはリスクも伴います。
自社サイトから予約してくれれば良いのですが、楽天トラベルなどOTA経由の予約になれば手数料が必要になります。
それでも自ホテルに予約してくれればまだ良くて、OTAで別のホテルを見ているうちに、「こっちでいいや!」と別のホテルに予約されてしまうかもしれません。

電話予約をWEBに誘導するリスク

  • 手数料が必要になるかもしれない
  • 競合ホテルに予約が逃げるかもしれない

この様に考えると、電話予約を専用料金で販売するのはお薦めできなくなるのです。

 

電話予約をWEB料金で販売する効果

まず、考えられるデメリットから。

  • 電話予約を高く販売しなくなる分、ホテル全体のADRは微減する可能性がある

この程度でしかありません。
しかもADRの微減は、これまでの経験上無視できるほど小さな物でしかありません。

電話予約をWEB料金で販売することのメリットには以下の物があります。

  • 電話予約の受注確率の向上
  • 電話予約の顧客満足度改善(悪い印象を無くすことが出来る)
  • スタッフのストレス軽減

特にスタッフのストレス軽減の効果は大きいです。
電話予約とWEBの料金が違うことでクレームが起きたり、WEBを見ていることが分かってそのWEBを探して回答する手間が大きかったり、想像以上にスタッフは電話予約に対してストレスを抱えています。

電話予約をWEB料金で販売するのに「どうやってスタッフにWEB料金を知らせるか」という方法で苦労してる方もいらっしゃるようです。
解決策は簡単で、「自社サイトを見ながら電話予約の可否や料金を回答する」ことでよいでしょう。予約を受ける可能性があるPCに、自社サイトの予約画面を常時表示しておけば良いのです。
※ 電話予約でお客様に最初に回答するプランを決めておくこと

この方法のメリットは以下の通りです。

  • 残室数≠販売可能客室数であるが、残室画面を見せるよりコントロールが容易になる
    (WEBに在庫が出ている限り販売しなさい、という指示はスタッフに分かりやすい)
  • PMSの残室画面に指示を出すより(どうせ設定する)TLLを修正する方が作業が容易
  • WEBを見ているお客様とのやり取りが円滑になる

 

 

この機会にぜひ、電話予約の販売方法を見直してみてください。
電話予約をWEB料金にすることでの増収は正直ほとんどありませんが、それでも全体的にプラスの効果が多いのですから。

カテゴリー: 1.戦略を考える, 2.レベニュー・マネジメント, 4.オペレーションのヒント | コメントする

連泊プランを考える

以前より、「稼働が伸びない日・月・火を取り込みたいので、この期間に連泊プランを用意します」という類の「連泊を条件に安くしてお客様を増やそう」といった発想について意見を求められることがありました。しかし、日・月・火に限定した連泊プランでお客様を増やすというのはかなり難しい方法ではないかと思います。

連泊する人は全体のどのくらいなのか?

これは「お客様の種類による」というのが答えになります。
お客様をざっくりと3つの種類に分類すると、連泊傾向を整理することができます。

  • ビジネス: 比較的連泊率が高い。発生は平日に偏る。泊数はやや長め。
  • レジャー: 連泊率は低い。派生は週末に偏る。泊数は短め。
  • インバウンド: 連泊率は高い。泊数は長め。

考えてみれば当たり前なのですが、ビジネス利用の方は平日にお仕事をするわけですから平日に偏りますし、レジャー目的の方はシルバー層などの時間が自由になる方を除いて、ほとんどが週末にしかお出かけできません。ですからこのような傾向になります。

これらのお客様がどの程度の割合で組み合わさっているかによって、ホテルの連泊者の割合が変わってきます。連泊がどの程度あるのかを示す指標が LOS (Length of stay) です。

LOSは、「宿泊数 ÷ 到着数」で計算することができます。(ただし国産のPMSは月間の到着数を表示できなかったり、できたとしてもセグメント別に分けられないという欠陥があり、この数値の把握は意外と困難です)

今までの経験上、LOSはビジネスホテルで 1.2 – 1.4 程度、リゾートホテルでは 1.1 程度も珍しくありません。LOS1.1というのは、ざっくり言うと10室に1室が2泊する程度の連泊数となります。

連泊プランの効果は?

やはり、お客様のタイプ別に効果を考える必要があります。

  • ビジネス: 水・木の前泊
  • レジャー: 金・日の、土曜日の前後泊
  • インバウンド: 全体的な底上げ

もともと連泊する傾向が強いビジネス層ですが、中心は水・木曜日です。水・木曜日を絡めて月・火曜日の取り込むのならまだ良いのでしょうが、日・月限定の連泊プランだと、もともと水・木曜日に連泊するつもりだった人にも使い勝手がよくありません。
また、日・月曜日だけで連泊してくれる人はほとんどいないということになりますので、このプランで日・月曜日の宿泊数を増やすというのは非常に困難でしょう。

一方で、ビジネスのお客様は連泊する傾向が強いのも事実です。
サイトコントローラーなどから予約データを取り出し、泊数毎に予約室数を掛け合わせてみると、1ヶ月合計の述べ販売客室数に占める連泊の述べ室数は、ビジネス利用のお客様を得意とするホテルでは30〜50%程度になることも珍しくありません。
こう考えると、連泊のお客様に利用してもらいやすいサービスや仕組みを作る方が良いとも言えるのです。
例:朝食のメニュー変更のサイクルはLOSに合っているでしょうか?

 

お客様を増やすには、新しい需要を作り出す必要があります。
新しい需要には、それまでと異なる切り口を考えるほうがよいのではないでしょうか。

カテゴリー: 1.戦略を考える | コメントする

システムを効果的に導入するには

システムを導入する際の、手順や注意事項をまとめてみました。
システムを導入する理想的な手順は、概ね下記のとおりです。

1. システム導入目的の明確化
2. 目的に応じた、現在の運営の変更点洗い出し
3. 1.2.に基づいた望ましい運営の構築
4. 3.に基づいた「要件定義」
5. 候補となるシステム会社(システムベンダー)の洗い出し
6. ベンダーへ要件定義書を提供、デモを依頼する
7. 要件定義書に基づくベンダー評価
8. 価格交渉
9. ベンダー選定・概算予算の確定・切替日の確定

10. 詳細な運用と、選定したシステムのギャップ分析
11. カスタマイズ・運用変更検討
12. キーパーソンへの教育
13. マスタ検討
14. マスタ登録作業
15. 担当者への教育
16. 旧システム→新システムへのデータ移行(切替時のみ)
17. 導入日当日の手順確認

18. 導入日当日の対応

19. 導入日以降の運用対応
20. 導入日以降の問題点把握と対策検討・実施

各手順毎の詳細や注意点は別にまとめますが、ここまでをご覧頂いただけでも相当な量の仕事になる事がお分かりになるでしょうか。

システムを古いものから新しいものに切り替える場合、「毎日の業務に加えて導入のための業務を行わなければならない」為、非常に負担が増えます。

ですので、費用的に可能であればシステム導入のコンサルタントを使うことをお薦めします。
システム導入コンサルタントは、上記の過程の進捗管理(プロジェクトマネジメント)や効果的な方法のアドバイスなど、様々な角度からの支援を行うことができます。

もちろん、私ども亜欧堂もシステム導入のお手伝いができます。
お問い合わせ: info@aoudo.jp (原則24時間以内に回答します)

カテゴリー: 3.ホテルシステムの導入支援 | コメントする

どんな表を作るかも、戦略に合わせた方がよい

実績やオンハンドといった種別を問わず、分析・報告の為にデータをまとめる際の書式で多用されるのが「表」です。
この表、実は「単価を上げるか」「数量を伸ばすか」という基本的な戦略に応じて、まとめ方の相性があるのをご存知でしょうか。

例として「個人ビジネス」「個人レジャー」「団体ビジネス」「団体レジャー」という4つのマーケットセグメント毎の実績を「室数」「ADR」「売上」の3つのKPI(主要業績評価指標)からまとめると言う良くあるシチュエーションで考えてみましょう。

上記のケースで、よく見られる表のまとめ方は下図のいずれかになると思われます。

chart 2014_0810
左は、KPIを切り口としてセグメント毎の実績をまとめたもの。
右は、セグメントを切り口としてKPIをまとめたもの。

どちらも「実績をまとめる」という事に変わりはありませんが、基本的な戦略毎に相性が異なります。
「単価を伸ばしたい」という場合に、効果的なのは左のまとめ方です。
単価を伸ばす戦略を優先するホテルのほとんどは、稼働率が高い傾向にあります。
つまり「満室でこれ以上増やせない」という状態になりやすく、各セグメントのバランスを考えなければ上手く戦術を立てる事が出来なくなるのです。
そのようなホテルにとって、セグメント毎のバランスが見やすいのは左の表だと言えるでしょう。

また、左の表の場合は、セグメント毎の単価の比較も行いやすく、「単価の低いセグメントの単価を上げる為にはどうしたらよいか」という発想になりやすいのもメリットです。
「数量を増やしたい」という場合に、効果的なのは右のまとめ方です。
数量を増やす戦略を優先するホテルのほとんどは、稼働率が低い傾向にあります。
この場合、セグメント毎に数量を増やす戦術を検討することが出来ます。
そしてその検討がしやすいのが、右のセグメント毎にKPIをまとめた表なのです。
そして実際にどちらの表で作表すべきなのかは、「2次利用」を考える必要があります。
PMSから取り出したデータをエクセルで加工するのも2次利用ですし、実績表(エクセルで作ったもの)を報告書に転記する、というのも2次利用です。

2次利用をしやすい形で作表しないと、2次利用の度に形式を修正する手間が生じます。
見栄えの為だけに修正作業が生じるのであれば、あまり効率がいい状態とは言いがたいです。
PMSから出力される帳票やデータは、「室数」「人数」「売上」といった集計項目毎に分かれる事が多い為、左の表のパターンでまとめると楽なようです。
勿論、PMSの種類に寄っても、帳票の種類に寄っても出力される形式は異なりますので、実際に良く使用する物に合わせて検討するとよいでしょう。
レベニュー・マネジメントでは、「高需要下のマーケットミックス」の検討はとても重要な分野です。
ですから亜欧堂が用意しているレポート類は、原則として左のタイプのまとめ方をしています。
ご参考まで。

カテゴリー: 0.マネジメントのヒント | コメントする

【ホテル用語】 ベスト レート ギャランティー

ベスト レート ギャランティー(Best Rate Guarantee)とは、ホテルへ直接予約(電話予約、インターネット予約)をするゲストに対して、最も安い料金で予約できることを保証することです。日本語では、「最低価格保証」と訳されています。

国内でも多くのホテルで実施されており、旅館でも取り組みが見られます。

ベスト レートギャランティーを行っているホテルでは、お客様がホテル直接予約方法以外の方法で、直接予約料金より安い価格を見つけた場合(ただし、全く同じ予約内容・条件である場合)は、その差額を返還したり、無料宿泊券を提供したりする等のペナルティーをホテル側が負担することになります。ここから「保証」と名がつけられているのです。

※ いくつかのホテルチェーンでは、最低価格である事を宣言するだけで、条件違反の際のペナルティを約束していない、ある意味「宣言」だけのものもあります。

ベスト レート ギャランティーを行うことで、ホテル側は手数料がかからない予約手段である自社サイトにお客様を誘導することを狙うことが出来るのです。
また、直接予約を好むお客様は、ロイヤリティが高い(リピートしてくれる、ホテルを宣伝してくれるなど、ホテルのファンであるという意味にとって良いです)傾向にある為、直接予約を優遇することでロイヤリティの高いお客様を囲い込むことも狙うことが出来ると考えられています。

 

反面、このプログラムは各予約経路の利害関係者からの反発を受けやすいという側面も持っています。この為、表面的には「ベスト レート ギャランティー」を謳わずに、自社サイトが最低価格になるような料金戦略を取っているホテルもあります。

また、OTA側もホテル側のベスト レート ギャランティーに対抗するプログラムを展開しています。

  • 自社サイトとOTAでの販売価格が同一である事を条件に手数料が低くなる
  • OTA側が最低価格保証を行う(例:エクスペディア

 

 

ベスト レート ギャランティーに対する良くある誤解は、「必ず割引販売しなければならないのか?」というモノでしょう。
「その時点で予約できる料金が、直接予約で最も安い」ことを保証しているので、自社サイト以外のすべての予約経路での予約を停止しているような場合は、ベスト レート ギャランティーで提供する料金が正規料金にすることも可能です。

なお、ベスト レート ギャランティーは自社サイトなど取引条件がホテル側に有利になるチャネル(予約経路)に誘導する戦略である「チャネルコンバージョン」のひとつです。

カテゴリー: 2.レベニュー・マネジメント, 7.ホテルの基本用語 | 2件のコメント

日本型レベニュー・マネジメントは必要か?

結論から言えば、日本型のレベニュー・マネジメントは短期的には不可欠ですが、中長期的にはグローバルスタンダードに合わせるべきでしょう。
何故ならば、日本型のレベニュー・マネジメント(RM)は日本独自の商習慣の影響を考慮する必要があるからです。(商習慣の詳細については後述)

短期的には、この商習慣がかわることは考えにくく、現状を前提に効果を求める為にも日本独自の商習慣を考慮したRMが必要となります。
ところが長期的には結論が変わってきます。人口減少による内需の減少が確定している以上、ホテル産業を維持するには外需(欧米・アジア圏からのインバウンド)を取り込む必要があります。そのときに、「日本独自の商習慣」を主張していては国際競争に敗れてしまう危険性があるからです。

ホテルそのものの商品性で破れるならまだしも、商談の基準に合わないからと競合である諸外国に需要を奪われてしまうのはあまりにももったいないのではないでしょうか。特にMICE(会議、報償旅行、カンファレンス、展示会など、宿泊だけでなく宴会場や周辺施設の利用を伴う団体を言う。国際会議など大型かつ売上の影響範囲が大きいものがあり、各国から注目されているマーケット)を獲得したいのであれば尚更でしょう。
MICEでは、競合は隣のホテルではなく、シンガポールやマカオのホテルだったりするのですから。

つまりRMを一例に、日本のホテルマネジメントもガラパゴス化しては問題があると思うのです。

ガラパゴス

 

 

以下は、上記結論の補足です。
レベニュー・マネジメントとは
RMの定義を亜欧堂では「需要予測をもとに販売を制限することで収益の拡大を図る体型的な手法」としています。

ホテル業では、季節やイベントなどの影響により大きく変化する宿泊需要に対して、常に最大限の供給(客室数)を用意することは非常に困難です。想定される最大の需要に対して客室を用意すると、当然大規模なホテルとなり建設費も肥大化し、事業として適切な利益を確保することが非常に困難になってしまうからです。

この為、高需要時には必ず需要に対して供給が不足する事態となります。
ですから必ず誰かを断る必要が出てくる、これが一つ目のポイントです。

もう一つのポイントは、主に低需要時の対策として 正規料金よりもコストパフォーマンスの良い商品(企業契約料金、割引料金やパッケージ商品など)を出している事です。
低需要時の戦略として 正しいこれらの商品も、需要が高くなるに連れ存在意義が薄れてきます。花火大会など需要が高く満室が見込める日に、50%offのキャンペーン料金を出して満室にしてしまうのと、正規料金で満室にするのとではどちらがホテルにとって望ましいのかは明白でしょう。

この2つの要因から、現在のホテル業界では高需要が想定される時には、様々な種類のお客様、商品、料金、販売経路の中から、そのホテルに望ましいものを積極的に選択する必要があるのです。

これが、RMの存在意義だと言えるでしょう。

日本型RMとは
RMが需要予測を基に販売を制限する事だとして、では日本型とはどのようなものでしょうか?
現時点では明確な定義があるわけではありませんが、亜欧堂として考えているのは「日本の商習慣」 への対応です。

RMで検討すべき日本の商習慣は、大きく以下の2つです。

  • 団体の商談フロー
  • パッケージ商品の一般化

団体の商談フロー

団体の商談フローとは、 団体を受注するに当たり、どのような商談の進め方をし、管理するかと言う事です。傾向として、日本では 歴史的に旅行代理店(AGT)の力が強く、ホテルはAGTに管理を任せている(または自ら管理を放棄している)状態であるのに対して、欧米ではホテルとAGTの関係は対等であり、「交渉」の側面が強く見られるようです。

例えば「仮予約の期限」
日本ではAGTの指定した 期限をそのまま採用し、ホテルとしてのルールを持たないところすらあります。対して欧米では、まずホテル側のルールを適用し、ホテル側のルールとAGTの希望を調整するのは営業担当の役割だと聞き及びます。

さて、この商談フローですが日本では概ね 「仮予約 > 確定」の2段階をとっています。
しかし現実には、「仮予約」の期限はAGT任せで「他の団体も視野に入れる」という発想はあまりありませんから、実態としては「段階のない管理」をしている状態です。
一方で、欧米ではどうかというと「スペースの優先的押さえ(これが日本の仮予約に該当) > 先方の催行意向の確認がとれる > 契約またはデポジットの支払い」といった段階をとるようです。仮予約中でも他に条件のいい団体が入ってくることも想定していて、仮予約はあくまで「優先権を与えている」状態であり、期限内に返事がもらえない場合は他の団体を受注することもあります。ビジネスとして商談の中で条件交渉が行われている訳です。

主に営業担当者の責任範囲である商談フローがRMに影響するのは、団体のWASH(減少予測)に影響するからです。
特に日本で言う「確定」は、「とりあえずそのホテルにいくことは決まったが、正確な人員は確定でない状態」と「正確な人員まで確定しネームリストも作れる状態」が混ざっていますので、「最終的に団体が何室利用するのか」を把握しづらいのです。一方欧米では室数またはデポジットにより売上が確定したものを「Difinite」としており、この段階にきたものであれば最終的に利用する部屋数は用意に把握できます。

RMとしては、正確に動向を把握できる欧米型の団体の商談フローをそのまま予約区分として使いたいのですが、ここでもいくつか問題が生じます。

  • 国産のPMS(ホテルシステム)にはそのような予約区分を登録する機能がない
  • 欧米型商習慣にあわせた予約フローに対して、国内経験しかない営業担当者の理解が得にくい

私が知る範囲の国産PMSは、大手であろうと中小であろうと、団体には「仮予約のフラグをたてる」という機能が多く、かつ仮予約として登録すると「販売可能室数から差し引かない(100室のホテルに50室の仮予約があっても100室販売可能と表示してしまう)」というあまり好ましくない使用となっているようです。
欧米のPMS(私の知る範囲ではOperaのみ)では、予約区分をユーザーが設定できます。この面では明らかに欧米のPMSの方がRMに適しています。
※ PMSにはそれぞれのメーカーに一長一短があり、国産のPMSにもメリットがありますので一概にどれが一番いいとは言いがたい状態です。現状ではそれぞれの長所短所を把握して上手く活用する必要があります。

ちょっと情けない気もするのですが、最も厄介なのは営業担当者の理解を得ることかもしれません。
もちろん中には、国内にある外資系ブランドホテルなどでの営業経験などを元にこのフローを理解し積極的に活用している営業担当者もたくさんいらっしゃるのですが、中にはAGT側の都合を優先的に考えてホテル側の事情を調整しようとする営業担当者もいます。そのような人達からすれば、細かく厳格な管理は「AGTの理解を得にくい」ということになり、あまり歓迎されません。
でも、よくよく考えてみると日本の大手AGTは欧米のホテルとの取引があり、このフローを把握しています。更に日本でも外資系ブランドホテルが増えてきて、欧米のフローに近づける様に求められており、以前に比べて格段にこのフローに対する協力度合いは増してきています。

以上のような背景から、日本型のRMとして私が提案している団体の予約区分は下記の通りです。
もちろん、既存の国産PMSでもこの予約区分を運用する工夫をすることが可能です。

1. 仮予約:すべての予約はここから始まる。スペースを優先的に押さえるが、仮予約期限は短めに管理。短めにすることで、他の団体問い合わせがあっても「もうすぐ仮予約期限が切れるので先方に確認してみます」と保留がしやすくなり、結果としておいしい団体を逃しにくくなる。
2. 催行確定:先方から「宿泊先の決定」の意思を明確に引き出し、その意思を書面やメールなどのエビデンス(証憑:事実を証明する根拠となるもの)を確保した状態。出来ればホテルから確認書を送付し、それに先方からのサインを貰いたいところ。
3. 最終決定:ネームリストが送付されて、室数が確定した状態。通常1週間前にネームリストの期限を設定しているホテルが多いが、「そろそろ期限が近づいて参りましたので準備をお願いします」という旨の確認をホテル側から行うことで、「ネームリストの入手が前日や当日になる」という現場の問題もかなりの程度改善できる。

 

パッケージ商品の一般化

ホテルを予約する際に、欧米ではお部屋だけを予約するのが一般的です。ですから海外サイトに参画すると、基本部屋タイプごとの料金設定に、早割や連泊などの「プロモーション」で料金を変動させる様になっています。

一方で日本では、「朝食付き」はもちろん、「QUOカード付き」など、ホテルの客室に付加価値を付け加えたパッケージ型商品の販売が主流となっています。
個人的にはパッケージ型商品の方がお客様の様々なニーズを「ホテル側に吸い寄せる」効果が高いため、好ましいのではないかと思っています。

この違いがRMにも影響します。
現状のRMでは、ADR(Average Daily Rate:平均客室単価)を用いて、「同様の需要に対する販売価格の設定」の根拠としています。室料販売が中心の欧米では、「ADR = お客様の支払い価格」と考えて大きくずれはありません。また、商品ごとの利益を考える際にもほぼADRを見ておけば十分です。商品ごとの利益を考える際に、室料売上からアメニティやリネン費、客室清掃コストなどを差し引くとすると、それらのコストは(部屋タイプなどの商品の内容に関わらず)概ね一定である為です。
つまり欧米では「お客様の支払い金額 = 室料売上 > 利益(ただし類推可能)」となります。

ところがパッケージ型商品が中心の日本では事情が異なります。
「お客様の支払い金額 = ホテルとしての売上」を、朝食代や室料に「ブレイクダウン(売上の分配)」した結果の室料から計算されるADRは、お客様の支払い金額とは大きくズレてしまうことが多いのです。
また、商品ごとに利益も商品ごとにコストが大きく変わってしまう為、単にADRだけを見て利益を推察することが出来ません。同一のADRであっても、朝食付きなどパッケージ商品の場合はお客様の支払額が大きくなることが多く、その分手数料が増えてしまうからです(手数料はお客様の支払い金額に対して一定の割合となる)。
つまり日本では「お客様の支払い金額 > 室料売上 > 利益(ただし単純に類推できない)」となるのです。

この為、日本型のRMとしてはADRだけではなく「売価」および「貢献利益」を指標として使用する必要が出てくるのです。

ただし、ここでも困難がつきまといます。
欧米型のベーシックなRMすら定着していない日本では、PMSに対してRM的な視点での改良が進んでいません。
結果、売価も貢献利益も、PMSから直接取り出すことは出来ません。
それにかわる工夫が必要となってきます。

 

なお、残念ながら私には海外の経験がありませんので、把握している海外の状況は海外経験の方やコンサル仲間からの伝聞によるものです。もし事実と異なる点がありましたらご指摘いただければ幸いです。

カテゴリー: 2.レベニュー・マネジメント | コメントする

アイデア出しのツール SCAMPER(スキャンパー)

宿泊プランのアイデアを考えたり、業務改善の方法を考えたり、毎日の仕事は「アイデアを出す」事がスタートになると言っても過言ではありません。しかし一方で、アイデアを出すことが難しいと感じている人が多いのも事実です。 アイデアを出すには、幾つかのツールがあるのですが、このSCAMPERもその一つです。SCAMPERは、アレックス・オズボーンという人が考案し、ボブ・イバールという人が後に順番を並べ替えたといわれている「アイデア発想のためのチェックリスト」です。

  • Substitute 代用:              他のもので代用できないか
  • Combine 結合:                 組み合わせてみることができないか
  • Adapt 適用:                       応用したり当てはめたりできないか
  • Modify 修正:                     修正、拡大、縮小できないか
  • Put to other uses 転用:ほかに使い道はないか
  • Eliminate 除去:               削除、省略できないか
  • Rearrange 再配列:         順番を変えたり、調整したりできないか

例:Substitute/代用
朝食付プランの朝食を「ゼリー系食品」などで代用して早朝出発用のお客様に提供する。

例:Combine/結合
SPAとレストランの利用を組み合わせてパッケージ商品にしてみる。

例:Adapt/適用
シティーホテルで人気の宿泊プランを、ビジネスホテルに適用してみる。

例:Modify/修正
滞在時間を拡大して、30時間滞在できる宿泊プラン。
(土曜日に販売すると有効です。12時チェックイン翌日18時チェックアウト)

例:Put to other uses/転用
宿泊部門の戦略を、料飲部門に転用してみる。

例:Eliminate/除去
3連泊プランのうち、1泊だけホテルの夕食を付けるプラン。
(のこり2泊はホテルからお薦めの飲食店を紹介し、地域の味覚を楽しんで頂く)

例:Rearrange/再配列
その地域に到着>ホテルへ移動>チェックインという流れを、その地域に到着>チェックイン>ホテルへ移動に順番を変えた「お出迎えプラン」。

 

アイデア出しの際にはぜひ SCAMPER を使ってみてください。 コツは、「極端にしてみること」です。アイデアだしは、なるべく自由な発想で行って、検討フェーズで現実化するようにすると、面白いものが残ります。

カテゴリー: 1.戦略を考える | コメントする

【基本用語】 その他全般

個別に解説するほどではない、基本的なホテル用語です。

  • 危機管理(Risk Management)
    • 盗難、災害や製品による事故、顧客からの苦情など企業の経営活動を脅かす危機による被害を最小限に押さえるための管理手法。
    • ホテルでは、食中毒、火災、宿泊者の死傷といった事故が起きる可能性がありますので、万が一これらの事故が起きた場合、迅速に事故に対応し対応や状況を告知してお客様の不安感や不信感を和らげる必要があります。
    • 危機管理上、これらの事故それぞれに応じた対応を事前に決めておくことが有効です。
  • ゲストコ メント(Guest Comment)
    • 総支配人に親展で送られるお客様からのご意見。
    • 客室内にアンケートの形式で置かれていることが多いようです。。
    • お褒めの言葉からクレームまで、お客様から寄せられる貴重なご意見で、理想としてはゲストコメントを頂いたお客様に対しては、全て総支配人名でお礼状・お詫び状が送付され、顧客として登録され、次回利用時にコメントの内容がサービスに活用されるべきでしょう。
    • アンケートを分析しているホテルもあるようですが、ゲストコメントは非常に満足したか強い不満を持つゲストが書き残す傾向にありますので、お客様全体の満足度をはかる指標としては、充分ではありません。
  • クレーム(Claim)
    • 苦情。
    • お客様から寄せられる不満、苦情のうち、正当な要求に基づくものを指しています。
    • 例えば、予約した客室タイプと違う部屋に案内されたというものが該当します。クレームを持つお客様には、適切な対応を行うことで信頼を勝ち取ることが出来ますので、そういったお客様はホテルの顧客となることも多いのです。
    • また、ホテルは客室や料理にサービスという付加価値を加えて商品としている為、必ず人手を介しますので、商品(サービス)の品質が一定に保ちにくいという側面があります。
    • この為、お客様の期待が大きくなる高級ホテルほど、期待が満たされなかったことでクレームが生じやすくなる傾向があります。
  • コンプレイン(Complaint)
    • 不満。
    • お客様から寄せられる不満・苦情のうち、過大な要求とみなされる物を指していて、クレームと区別されています。
    • 例えば、前回部屋をアップグレードしてもらったので、今回も無料でアップグレードするべきだ、というような要望が該当します。
    • 理不尽なコンプレインに対しては、毅然とした態度でお断りする事も大切でしょう。
  • ISO
    • International Organization for Standardsの略で、日本語では国際標準化機構。
    • 食品衛生やサービスなど、国際基準で標準化、安定化しているかを審査する機関です。
    • 企業間の世界的業務提携で、信頼性の目安として採用する企業が増えています。
  • プロトコール(Protocol)
    • 国際儀礼。
    • 本来は、国家外交上、(例えば国旗の並べ方など)慣習の違いによるトラブルを防ぐ為に定められた礼儀を指しています。
    • 現在では意味が拡大していて、高度なエチケットや社交場のマナーをも指しています。
    • 国外からの賓客が多いホテルでは、サービスを担当するスタッフはプロトコールに基づいた動きをした方が良いでしょう。
  • ベンダー(Vender)
    • メーカーや販売代理店を指す。
    • ホテル業界内では、システムベンダー(ホテルで使用するシステムの開発、販売、導入などを行う会社)を指すことが多い。
  • シングルベンダー(Single Vender)
    • システムを構築する際、特定の企業の製品だけを組み合わせて構築する事。
    • 国内では、NECやTAP、富士通がおおむね対応可能である。
  • マルチベンダー(Multi Vender)
    • システムを構築する際、複数の企業の製品を組み合わせて構築する事。
カテゴリー: 7.ホテルの基本用語 | コメントする

【基本用語】 ホテルシステム

個別に解説するほどではない、基本的なホテル用語です。
ホテル内でつかわている、様々なコンピューターシステムを解説しています。
また、主要な会社にも触れています。

※ どんなに高機能なシステムを導入しても、初期設定やオペレーション手順の最適化が行われなければ十分な効果を引き出すことはできません。それぞれのシステムの長所短所、自社運営手法の特色、費用対効果を踏まえてシステム選定を行うことがお勧めです。

  • PMS
    • Property Management Systemの略で、宿泊部門管理を中心としたホテルシステムの総称。
    • 狭い意味では宿泊システムを指しています。
    • 宿泊システムは、予約管理機能、精算機能、残室(販売できる客室の数)管理、販売価格管理、メッセージ管理機能、ルームステータス(客室の清掃状態)管理機能などを持っています。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
      • オラクル・ホスピタリティ」 OPERA(オペラ)
        ※ MICROS社はORACLE社によるM&Aにて統合され、2015年よりオラクル・ホスピタリティとなりました。
      • NEC」NEHOPS SAAS(ネホップス)
      • 富士通」GLOVIAsmart 
      • TAP」TAP
  • レベニュー マネジメント システム(Revenue Management System)
    • レベニュー マネジメントを行うために、必要なデータの取得と、推奨される販売戦略の提示を行うシステム。
    • データ取得だけの簡易な物もあります。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • POS
    • Point Of Salesの略で、販売した商品の分析機能を持つ精算機。
    • 主にレストラン、ショップなどで使用されています。
    • オンラインで他システムと連携していて、簡単に宿掛けを行うことが出来ます。
    • 高機能化が進んでいて、顧客情報を参照できるものや、レストラン予約管理機能を持つものもあります。
    • 最近ではiPadを使用したPOSも登場しています。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • 宴会システム(Banquet System)
    • 宴会管理システム。
    • 宴会部門は他部門に比べシステム化が遅れていて、今でも紙の予約台帳を使っているホテルもあります。。
    • 宴会ステムは、予約管理機能、見積作成機能、精算機能等を持っています。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • 顧客管理システム(Customer Information System)
    • 顧客の利用履歴や(住所や嗜好などの)属性情報を管理するシステム。
    • 上質のサービスを行うためには、それぞれのお客様の好みに合わせたサービスが求められるので、それを記録して必要に応じて取り出すことが出来る顧客管理システムは非常に重要なものです。
    • また、利用履歴はマーケティングにも活用されていて、利用実績に併せたDMの送付などが可能となっています。
  • PBX
    • Private Branch eXchangeの略で、電話交換機。
    • 内線電話同士や、加入者電話網などの公衆回線への接続を行なう機器です。
    • ホテルでは、客室から利用した電話料金の課金機能、宿泊者名の表示機能、ルームステータスの変更機能などが追加されています。
  • キャット(CAT)
    • Credit Authorization Terminalの略で、クレジットカード認証機。
    • クレジットカードの磁気やICチップ内の情報を読み込み、クレジットカード精算を可能にする機器です。
  • 売掛管理システム(Accounts Receivable Management System)
    • 売掛金の発生・回収を管理するシステム。
    • 相手先ごとに売掛金の発生、回収、その結果である残高や経過時間、請求を管理しています。
  • 会計システム(Accounting System)
    • 企業の会計上の動きを記録するシステム。
    • 収入、支出に関する会計上の動きを記録し、必要な財務諸表(損益計算書、貸借対照表など株式会社が公開を義務付けられているもの)を作成するほか、管理会計の機能を持っているモノもあります。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • 購買システム(Purchasing System)
    • 現場からの発注(材料などの注文)、納品、振替(部門間での材料などの移動を会計的に記録すること)、棚卸の計算を行うシステム。
    • これら購買プロセスを支援するだけでなく、購入した物の履歴や価格などを多面的に分析して、コスト削減に活用していくことが最近のトレンドとなっています。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
      • NEC」i-porter(アイポーター)
      • コム」コム購買
  • 勤怠管理システム
    • 勤務時間や休日数の管理を行うシステム。
    • ホテルでは変形労働時間制をとることも多く、また休日も一定していないため、タイムレコーダー(出勤時間、退勤時間を記録する機器)と連動した勤怠管理システムの重要度は高くなっています。
    • また、システムによっては勤怠データを元に給与計算を行うものもあります。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • データ ウェア ハウス(Data Ware House)
    • システムで作成されるデータを溜め込む目的の補助システム。
    • データを大量に蓄積して、そのデータを分析することで経営やマーケティングに活用する事を目的としています。
  • GDS
    • Global Distribution Systemの略で、世界中のホテル予約情報を供給する予約データベース。
    • 航空券の予約から、レンタカー、ホテルまでをカバーしていて、海外の旅行代理店はGDSを活用しています。
  • CRS
    • Central Reservation Systemの略で、集中予約システム。
    • チェーンホテルで、チェーン本部が予約を集中的に受け付けるために使用するシステムのことです。
    • 単に各ホテルの予約を取ることが出来るだけでなく、各ホテルの設備や客室の特色を説明する機能が用意されていたり、同じ地域の複数ホテルの残室を比較したりする機能が含まれています。
  • VOD
    • Video On Demandの略で、有料放送プログラムを、ゲストが視聴したい時間から提供することが出来るシステム。
    • 従来の有料放送では、ビデオを繰り返し流しているのでほとんどのお客様が途中から映画を見る事になるといった欠点がありました。
    • VODはそれぞれのお客様毎に再生を始めることができ、お客様は見たい映画を見たい時間に最初から視聴することが可能になっています。
  • ブッキング エンジン(Booking Engine)
    • インターネット上の予約システム。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • TLX(テレックス)
    • 旅行代理店からの送客通知を受け取るシステム。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • サイトコントローラー(Site Controller)
    • 楽天トラベル、じゃらん、一休、自社サイトなど、複数のインターネット予約サイトの管理(客室在庫や料金の調整)を一括して行うシステム。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア
  • 競合料金監視
    • インターネット上の、競合ホテルの販売料金を監視し、自動的にデータ収集するシステム。
    • 主要なソフト会社とソフトウェア

 

亜欧堂は、ホテルシステムの導入支援を行っています。

〜詳しくはこちら〜

カテゴリー: 7.ホテルの基本用語 | コメントする

【基本用語】 役割と役職

個別に解説するほどではない、基本的なホテル用語です。
ホテル内の役割や役職を解説しています。

【全般】

  • 総支配人(General Manager)
    • ホテル運営の最高責任者。
    • ホテルのカラーを決める役職で、お客様に対してはエンターテイナーの顔で接客の最前線に立ち、従業員に対しては教育者の顔でサービス向上の指揮を取り、経営者に対しては経営者代行の顔でGOPに対して責任を持ち、地域社会に対しては外交官の顔で地域貢献に寄与するといった、多面的な活躍が求められます。
  • アシスタント マネージャー(Assistant Manager)
    • 副総支配人。
    • ホテルの中では 総支配人を補佐する非常に重要な役職です。
    • 副総支配人である事を明確に EAM(Executive Assistant Manager)とも言います。
  • ナイト マネージャー(Night Manager)
    • 夜間の総責任者。
    • 24時間営業であるホテルでは不測の事態に備えて、夜間でもアシスタントマネージャーと同じ権限と責任を持つナイトマネージャーを配置しています。
    • Duty Managerと呼ぶホテルもあります。
  • FC
    • Financial Controllerの略で、財務・経理の見地から経営をサポートする役割。
    • 単なる経理担当ではなく、財務、経理の見地から経営に積極的に関与する点が異なっています。
    • 契約面や予算の進捗管理なども行います。
    • やはり日本のホテル業界では不足している人材の1つです。
  • レベニュー マネージャー(Revenue Manager)
    • 販売数量に室数という上限があるホテル業界で、過去のデータを基に将来の需要を予測し、需要に応じた販売戦略を選択する非常に重要な役割です。
    • レベニュー マネージャーの有無で、売上が3〜5%は変わってくると言われています。

【宿泊部門】

  • フロント クラーク(Front Clerk)
    • チェックインなど、フロント業務を行うスタッフ。
    • 古くは レセプション(Reception:チェックイン専門)、キャッシャー(Cashier :チェックアウトなどの精算専門)と役割が分かれていて、フロント カウンター内部の配置も別になっていましたが、最近では役割もフロントカウンター内の配置も同じになってきています。
  • ドアマン(Doorman)
    • ホテルの入口に立つスタッフで、来館客の送迎、自動車の手配などを行う。
    • ホテルによっては「アッシャー」「ドアパーソン」と呼ぶ事もあります。
  • ベル(Bell)
    • 宿泊客を客室まで案内することを主な業務としている職種。
    • フロント サービス(Front Service)の名称を名乗るホテルも多いようです。
  • ベル キャプテン(Bell Captain)
    • ベルの上位職。
    • ロビー一帯を見渡すことが出来るベルキャプテンデスクに立って、ベルスタッフを統括して適切な指示を出し、サービスを安定化させる役割です。
  • ディスパッチャー(Dispatcher)
    • どのベルがどのお客様を案内するかをコントロールする役割。
    • ベル キャプテンがこの役割を持つことが多いようです。
  • インスペクター(Inspector)
    • 点検する人。
    • 客室清掃の後、お客様の室前に最終点検を行いますが、その点検者を言います。
    • また、ホテル外部の格付け機関などの調査者もインスペクターと呼びます。
  • ハウス キーパー(House Keeper)
    • 客室管理の担当者で、客室をゲストに提供できる状態に保つ役割を持つ。
    • ハウスキーパーの中で、客室清掃準備(ルームメイク)の実務に携わる者を特にハウスメイドと呼びます。
    • 宿泊部門の最初の配属先でしたが、現在ではハウスキーピングを自社のスタッフで行うホテルは少なく、専門業者に外注しているところが多くなっています。
  • バトラー(Butler)
    • 執事。
    • バトラーは、ランドリーサービスや荷造り、ルームサービスなどとてもお客様に近いところまでを担当しています。
  • コンシェルジュ(Concierge)
    • 顧客のリクエストを伺い、実行する総合窓口のようなもの。
    • フロント系サービス専門職の頂点として志望者が多くなっています。
    • コンシェルジュ同士の国際的ネットワーク「レ・クレドール」という組織もあります。
  • ゲスト リレーションズ(Guest Relations Officer)
    • ゲストへの総合的接客を担当する部署。
    • 多くはロビーやエグゼクティブラウンジ内にデスクを構えて、お客様に対して様々な案内や(航空機やレストランなどの)予約代行業務、或いは秘書代行業務を行うところもあります。
    • 重要客の接遇の中心となる部署でもあります。
    • コンシェルジュとはほとんど差がなく、ホテル毎に呼び分けているようです。
  • キャッシャー(Cashier)
    • 精算を担当する係。
    • フロントではこの他に貴重品の預かりや外貨の両替も行います。
    • レストランキャッシャーや宴会キャッシャーは、経理部門に所属するジェネラル キャッシャー(General Casher)のスタイルと、レストランや宴会のスタッフが兼任するスタイルがあります。

【料飲・宴会部門】

  • キャプテン(Captain)
    • レストランや宴会サービスでのウェイター、ウェイトレスの上位職。
    • お客様から注文をとる仕事や料理を出すなど、直接的なサービスを主に担当します。
    • ヘッド ウェイター(Head Waiter)と呼ぶ事もあって、フレンチではシェフ ド ラン(Chef de rang)と呼ばれています。
  • ウェイター、ウェイトレス(Waiter, Waitress)
    • レストランの接客担当。
    • キャプテンと組んで接客に当る場合は必要な什器備品の準備、キッチンからホールまでの料理運搬などの補助的な仕事が中心となります。
    • フレンチレストランにおいてはコミ ド ラン(Commis de rang)と呼ばれています。
  • バス ボーイ(Bus Boy)
    • レストランの片付け専門の係り。
  • グリーター(Greeter)
    • レストランやラウンジでお客様を出迎え、テーブルまでご案内する係。
    • 専任のグリーターを置くレストランは少なく、レストランマネージャーが代行することも多いようです。
    • 単に客席に案内するだけでなく、隣のお客様との相性(カップルの近くに団体や家族連れを案内しない)、レストランの雰囲気を計算して案内する席を選び、そのお客様の目的(接待なのか食事を楽しみにいらしているのか)、序列(接待であるならば誰をもてなす目的なのか → サービスの順序に影響する)を見抜き、サービスを担当するキャプテンに情報提供する必要があります。
    • 洞察力が必要な仕事です。
  • ソムリエ(Sommelier)
    • ワインをはじめとした飲み物の専門家。
    • 単にワインの販売・管理だけでなく、食前酒や食後酒も担当します。
    • この為、カクテルはおろか日本酒、焼酎にも造詣が深い方も多いようです。
  • バーテンダー(Bartender)
    • バーで、各種飲料を作る担当者。
    • 単に飲料をつくり提供するだけでなく、バーカウンターにいらっしゃるお客様の接客も行います。
  • 配膳会
    • ホテル・レストランにサービススタッフを派遣する会社。
    • 殆どの宴会場は、配膳会を使用することで不安定な宴会の需要に対応し、人件費を抑えています。
    • また、人員不足の一部レストランでも使用されています。
  • シェフ(Chef)
    • レストランにおいては、料理長のことを指す。
    • レストランや宴会場を持つホテルにとって料理は重要で、優れたシェフが求められています。
  • パティシェ(Patissier)
    • 製菓職人。
    • 料理人の中でも特に製菓の専門家を言います。
    • 更に細かくショコラティエ(Chocolatier:チョコレート作成の専門家)、グラシエ(Glaceier:アイスクリーム作成の専門家)と呼び分けることもあります。
  • ブライダル コーディネーター(Bridal Coordinator)
    • 結婚式、披露宴のコーディネートを行う担当。
    • 新郎新婦の個性を表現したオリジナルウェディングが主流の現在、新郎新婦の希望を引き出して、それを婚礼の中で形にしていく役割のブライダルコーディネーターの重要性が増しています。
  • 宴会予約(Banquet Reservation Officer)
    • 宴会の予約受付・管理担当。

【営業支援部門】

  • FBC
    • Food & Beverage Cost controlの略で、料飲原価管理者。
    • 料飲部門では、売上の約3割程度が原価(材料費)となっていて、適正な品質・コスト管理は利益確保の上で非常に重要です。
    • この為、FBC担当を置くホテルがあります。
    • FBC担当は、食材や飲料について料理長、ソムリエに比肩する知識が必要となる他、原価分析手法などのスキルも求められます。
  • スチュワード(Steward)
    • 什器備品の管理者。
    • 什器備品の在庫管理及び品質管理に責任を持つ業務であり、その過程でブリケージの管理や洗浄器(什器備品を洗う機械)の管理も業務範囲となります。
    • スチュワードの管理でブリケージを少なくし、洗浄にかかる費用も少なくすることができるので、重要な職務の1つであると言えます。
  • MIS
    • Management Information Systemの略で、ホテルシステムを管理し、そこから得られる情報を運営・経営に役立つよう提供する役割。
    • ホテルシステムを理解し、経営(特に投資効果や財務の知識)に長け、オペレーションの実務を知るMIS担当は現在人材不足です。
  • S&M
    • Sales & Marketingの略。
    • ユニフォーム会計システムでも定義されている通り、外資系ホテルチェーンの組織図では、セールス(Sales:営業)とマーケティングが同じ部門となっています。

【略称】

    • CEO :Chief Executive Officerの略で、最高経営責任者。
    • COO :Chief Operating Officerの略で、催行運営責任者。GMが該当する。
    • GM :General Managerの略で、総支配人。
    • EAM :Exective Assistant Managerの略で、副総支配人
    • DOR :Director Of Roomsの略で、宿泊部長
    • DOFB:Director Of Food and Beverageの略で、料飲部長
    • DOSM:Director Of Sales & Marketingの略。
    • FC :Financial Controllerの略。
    • RM :Revenue Managerの略。
カテゴリー: 7.ホテルの基本用語 | コメントする