追加で資料をつくるより、仮説思考で対策を実施する方が効果が得やすい

資料ちょうだいね

不振のホテルや部門に、本部や外部の方、GMなどが注目を始めると、「不振の原因を調べてレポートにまとめるように」と追加資料の作成を指示することが良くあります。
この指示は残念ながら「不振を改善したい」という目的に合った指示になっておらず、却って改善のスピードを遅くしてしまっているだけのケースが散見されます。

不振の原因を調べて報告することは、一見改善のための必要なことに思えるのですが、端的に言うと「原因がわかる仕組みがない」という致命的な問題があり難しいのです。

少し細かく考えると以下の通りです。
◻︎ 3Cの視点からのデータ不足
◻︎ 通常レポートの不備
◻︎ 分析スキルの不足

不振の原因を特定するにのには「3C」の分析視点が有効です。
◻︎ Customer お客様
◻︎ Competitor 競合
◻︎ Company 自社

お客様が利用の仕方を変えれば不振になることがあります。ちょうど、消費税値上げ後は旅行の回数は維持でも一回あたりの金額を減らす傾向が報告されています。
競合がなにか上手い手を打てば不審になることがあります。分かり易い例では改装や新規開業ですね。
自社が何がやらかせば不審になることがあります。例えば食中毒を出してしまうと、信用回復までは苦戦を強いられてしまうわけです

このように3Cは分かり易い分析の視点なのですが、データや情報の集まりやすさにかなりバラツキがあります。
イメージでは、自社>競合>お客様の順でしょうか。特にお客様の変化は、雰囲気は掴めてもデータで実証するのは難しい。費用をかけて市場調査が必要になるでしょう。

そもそも、普段作っている月次報告書で不審の原因がわかるのであれば、追加のレポートは必要ありません。
ところが実際には、苦労して作っているはずの毎月のレポートでは原因を特定するには力不足な事が多いようです。

ひとつは毎月のレポートが「偉い人が知りたい事を報告する」だけのものになっていること。
GMであれ本部であれオーナーであれ、彼らの知りたいことはそもそも全般的にうまく行っているかどうかです。偉い人が毎月必要とするレポートだけでは、「現場自身が、自分が立てた作戦がうまく行っているかどうか」を知るには不十分なのです。
ですから、「現場の状況把握に必要な分析」を普段から行い、その中の要約を報告書として提出できる仕掛けにする必要があるのです
そうすれば普段は「成績の良否」を見ている偉い人が、より詳しい状況を聞こうとした時すぐに、情報を提供出来るようになるでしょう。

そもそも分析の為のスキルが不足している事も指摘せねばなりません。
分析の視点、分析に使う道具の使い方などがそれです。
特に道具であるエクセルは重要です。
ホテルシステムからデータを取り出し、エクセルで分析を行う方法が日本の現状には即しているようですが、エクセルがうまく使えるかどうかは、同じ分析をするにしても作業時間が軽く3倍以上変わってくるのです。

ではどうすれば良いのでしょうか。

実は必要な情報が集まりにくいのは、何もホテル業界だけのことではありません。
同じような状況でどうしているかというと、効果的だと言われているのは「仮説思考」です。
仮説思考とは「十分な情報を集めるのには時間がかかる。それならば手元にある情報で『こうすればうまく行く』という仮説を立てよう。仮説が間違っていたとしても進捗を確認していれば気づける。そしたらその時に修正策を考えよう!」といった感じの考え方です

仮設思考で現状わかる材料から対策を考え、その対策がうまく行っているかどうかの進捗確認に時間を充てる方が改善効果は高いのです。

仮説思考の場合、仮説や仮説を元にした打ち手のレベルが低いかもしれないという懸念が残ります。
よく考えてみると、十分な情報を持っていたにしても打ち手のレベルが低いことはあり得るのですが、それでもなるべく有効な打ち手を求めたいですよね。

その場合お薦めなのは「今までと違う打ち手であること」という条件を付けることです。
ともすれば対策としてあげられるものはこれまでもやってきているものであることがおおいのですが、何かを変えなければ結果を変えることはできません。
ですから「何か新しい打ち手」という視点はわかりやすく効果が出やすいのです。

 

本部やオーナーと言った立場としては、仮説思考で立てた対策の進捗状況を確認する事で、原因分析の資料に代える事が出来るでしょう。

どのような立場の人であれ、そのホテルに良かれと動いているのですから、その気持ちは大切に、より効果が出やすい方法を取りたいものですね。

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