RMを始める前に / RMに適した正規料金を考える

正規料金とはどうあるべきものでしょうか。
RMにとって正規料金とは「最大可能な料金」と考えることができます。
つまり正規料金とは「それ以上高く売る事が出来ない料金」です。
場合によっては値上げ等の見直しをすることで、より売上を高くする事が出来るのです。

 

「正規料金=これ以上高く売る事が出来ない料金」ですので、海外では正規料金を無くすホテルも増えてきています。
正規料金を無くす事で、理論上はいくらでも高く売る事が出来る訳です。
日本でもすでに幾つかのホテルは正規料金を廃止しています。

正規料金を廃するホテルが出てきた時点で、RMは理論上の最大売上を持たなくなりました。
ですからRMの定義を尋ねたときに「販売料金を調整する事で最大の売上を目指す手法」という答えは(とてもよく聞く説明ではありますが)間違いと言う事になります。

ちなみに、亜欧堂のRMの定義は「需要予測を基に、販売を制限する事で、収益の拡大を目指す、体系的な手法」とさせて頂いています。

 

さて、正規料金はこれ以上高く売る事が出来ない料金ですから、以下のケースに1つでも該当する場合は正規料金の改定(値上げ)を検討する必要が出てきます。

  • 基準となる部屋の正規料金が、予算で狙うADRの130%未満
  • 基準となる部屋の正規料金が、特定日のADRの120%未満
  • 正規料金で販売した日数が、年間10日以上
  • 月間の稼働率が90%を超える(正規料金値上げと同時に全体的に値上げ)
  • Rate Yieldが80%を超える

いずれかのケースに該当した場合、もっと高い価格での販売が可能であったにもかかわらず、正規料金が制約条件となって十分に高く売る事が出来なかったと考えられる為、正規料金の値上げ・改定を検討するのが望ましいのです。

Rate Yieldとは「正規料金に対してどの程度の価格で販売できているか」の割合を示す数値です。稼働率が全客室数に対して販売できた客室数の割合を示すのと同じような考え方です。
計算式は以下の通りです。

  • Full House Amount : 全ての部屋が正規料金で販売できた場合の売上
  • Inventory:客室総数
  • Potential ADR:理論上達成可能な最大のADR(Full House Amount ÷ Inventory)

Rate Yield = ADR ÷ Potential ADR

 

では、正規料金をいくらにすれば良いかと言うと、明確な基準はありません。
RMとしての正規料金は予算で狙うADRの130%以上であればいくらでも良いと言う事になります。

一方で、正規料金は「割引をしない場合の、私たちの商品である客室やサービスの正当な対価」の側面もありますので、むやみやたらと高いとお客様の期待値を上げることになります。
高くなった期待値を満たす事が出来なければ、お客様の満足度(CS)が低下する事になり、長期的に見れば人気が無くなってしまい、売上も減少する事に繋がります。
ですので高すぎる正規料金はCSの低下を招くリスクがある事も覚悟しておく必要があります。

 

正規料金は予算作成の時点で年1回程度、改訂の要否を検討する事をお薦めしています。

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