PMSにはここがたりないのでは? ② 売っていい室数を把握する

亜欧堂はPMS導入支援を行っており、現在日本国内で流通している主要なPMSの機能はおおよそ把握しています。
また、レベニュー・マネジメント導入支援や業務効率改善支援の過程で現場に伺うことも多く、基本的なオペレーションも把握しています。

その中で、複数あるPMS各社にほぼ共通して「これが足りない(あるいは普及していない)のでは?」と思っているものを挙げみたいと思います。

これは細かなことですが、生産性向上を図るには避けられないものばかりです。
ぜひ経営者やマネジメントレベルの方に読んでいただき、
まずは問題点を認識していただければと思っています。

PMSの改善の協力の必要があればご連絡ください。
当方の把握違いのご指摘もぜひお願いいたします。
PMSベンダーの方からのご連絡で、機能が確認できましたら紹介できればと存じます。

さて、今回は毎日の販売調整に欠かせない「売っていい数を把握する」ことを考えてみたいと思います。

 

売っていい数と残室数は異なる

お客様から予約のお電話をいただいた際、あるいはOTAにこの後販売できる部屋数を調整する際など、「この後何室販売して良いか」を考えることは多々あります。
この「この後何室販売して良いか」を判断するために多くの方はPMSの「残室画面」をご覧になっていらっしゃるのではないかと思います。

ところが、この残室画面では「この後何室販売して良いか」はわかりません

残室画面は、基本的に「持っている部屋数 - 販売した部屋数」を計算して、「今現在残っている数」を表示します。

ところが実際に販売するにあたっては、以下の数を考慮する必要があるはずです。

  • これから入ってくる旅行代理店の予約は断れないので売れない数と考える
  • 既に入っている団体予約のお部屋は減るかもしれないので売れる数として考える

つまり、
何室販売して良いか=売っていい数(Availablility)は以下の計算が必要なのです。

Availability=残室数 – AGTの消化予測 + 団体のWash予測

※ 消化予測
=旅行代理店に提供しているブロックを消化すると予測される室数
=旅行代理店がこの後販売すると予測される室数

※ Wash予測
=団体が減少すると予測される室数

この計算を手慣れたコントローラー(予約の管理者)は頭の中で行なっているのですが、逆にいうとこの計算が頭の中でだけ行われているので、コントローラーは職人芸になりやすく、後進を育てるのが難しいということになります。

ですので、PMSにこの計算ができる機能があるのが望ましいということになります。

一方で、消化予測、Wash予測共に「予測値」ですので、PMSに予測の機能を持たせることができるのかというのも課題です。

ですからせめてコントローラーが判断しやすいように、残室画面には以下の表示が追加されている必要があるのではないでしょうか。

  • 旅行代理店の現在のオンハンド数 および ブロック残数
  • 団体の予約区分別オンハンド数

団体の予約区分はこちらのページも参考にしてください

 

タイプオーバーを考慮する

ほとんどのホテルは「スタンダード」「デラックス」といった部屋のグレードと、
「シングル」「ダブル」「ツイン」といったベッドタイプ、
さらに「禁煙」「喫煙」といった喫煙区分の組み合わせで部屋タイプが決まり、
10〜20 程度が良くあるタイプ数となります。

このくらいのタイプ数があると、全ての部屋タイプをその数で売り切るということが難しくなり、最も安価な部屋(または最も数の多い部屋、以下基準部屋)をオーバーブックさせて販売したり、「部屋タイプお任せ」の部屋を販売するという方法がよく行われています。

特に2018年時点では外国人比率が高い地域も増えてきており、それに比例して連泊の需要も増えてきています。
そうすると、下手に日毎に部屋タイプを開け閉めするよりは、基準部屋をオーバーブックさせてでも連泊が取れるように販売する方が、全体的に増収しやすくなります。

このような考え方から、「基準部屋はこの部屋とこの部屋を足した数まで販売できる」と判断してオーバーブックさせるのですが、PMSの残室画面にはこの「足し算」での表示がないものが多いのです。

そうするとこの足し算がコントローラーの頭の中で行われることになり、職人芸でのコントロールに拍車をかけることになります。
皆さん慣れている方は負担に思いませんが、実際には全ての日程でこの足し算を行うのは作業効率の悪化の原因となっているのです。

 

1年先まで確認できるか

多くのOTAでは1年先までの販売を推奨しています。
外国人の増加を考慮すると、1年先までの販売は妥当性が高いと言えます。
(一方で早い時期の予約はキャンセル率が高いという問題もありますが、これはまたいずれ対応をご紹介したいと思います)
国内のお客様が中心であったとしても、少なくとも半年先までは販売するのが推奨です。

さて、少なくとも半年は先の販売を行うとして、販売状況を確認する「残室画面」は十分でしょうか?

多くのPMSの残室画面は 1週間〜2週間 程度を表示範囲としています。
すると、半年先までの予約状況や販売可否を確認しようとすると、2週間表示可能なPMSであったとしても 最低 13回 はスクロールしなければなりません。

日付方向のスクロールだけでも大変ですが、部屋タイプ数が多い場合には部屋タイプ方向にもスクロールする必要が出てきます。

つまり現状の残室画面では、
1年先までの販売には表示範囲が狭すぎるので適していないと言えるのです。

 

残室画面に欲しい機能をまとめると

  • 旅行代理店の現在のオンハンド数 および ブロック残数
  • 団体の予約区分別オンハンド数
  • 部屋タイプ別や喫煙禁煙別などコントローラーが任意に設定できる「足し算表示」
  • 販売状況(残室)の表示範囲を最低限1ヶ月単位まで拡大する(レポートでも良い)
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