RMを始める前に / マーケットセグメントを整理する

レベニュー・マネジメント(RM)は、「需要予測を基に 販売を制限する事で 収益の拡大を目指す 体系的な手法」です。そして「需要予測」の精度を高める為には、「データを正確かつ望ましい形で」集計する事が前提となります。
さて、このRMで使用する需要予測の元になるデータは最低限、そのホテルが戦略の単位として考えている「マーケットセグメント別」に集めて行く必要があります。

マーケットセグメント(以下セグメント)ととは、直訳すれば「市場(マーケット)を細分化したもの」の事ですが、より簡単に「お客様を一定の傾向毎に分類したもの」と言い換える事が出来ます。
マーケットセグメントとは「お客様を一定の傾向毎に分類したもの」

MKT Segs Image

現在主流となっているマーケティングの方法は、セグメント毎に作戦を立てるというものです。
お客様の共通の傾向を基に分類したセグメント毎に、

  • どんな商品が求められるか(商品:Products
  • どの程度の価格なら購入してもらえるか(価格:Price
  • どこで販売すれば購入してもらえるか(販売経路:Place / Channel)
  • どのように伝えたら知ってもらえるか(広告宣伝:Promotion

といった観点で作戦を立てて行く訳です。
※ この4つの観点を「マーケティングミックス」と言います。

お客様は共通の傾向を持っている訳ですから、マーケティングミックスの観点もそれぞれのセグメント毎に異なってきます。つまり、それぞれのお客様にあったもの(商品、価格、販売の方法、知らせる方法)を提供できる様になる為、より効果的に販売を行う事が出来ると言う訳です。

このマーケットセグメント、日本のホテル業界では主に3つの観点で整理されている事が多いようです。

  • 目的型
  • 価格帯型
  • チャネル(販売経路)型

MKT Segs Sample in JPN

目的型は、「ビジネス・レジャー」といった利用目的毎に分類をするものです。
最もマーケティングの考え方に合っていて、RMから見ても以下のメリットがあります。

  • ビジネスマーケット、レジャーマーケットで需要のピークが異なる
  • 室料収入はレジャーマーケットが大きくなる事が多く、優先順位をつけやすい

しかしかつてWEB予約が普及しだした頃、「WEBからの予約は目的が分からない」と考えられ、少数派になった経緯があります。対処方法はシンプルで、宿泊プランを「人数別=セグメント別」に作成する事で、目的型マーケットセグメントを使っても集計が可能です。
(というか、そもそもマーケティングの考え方を使えばセグメント別に商品を作る必要があります)

 

価格帯型は「正規料金」「企業契約料金」「会員料金」「一般料金」という料金の観点で分類したもので、料金=商品である事が多く、こちらもマーケティングの考え方に合っています。
予算作成が行いやすいと言うメリットもあります。

 

チャネル(販売経路)型は、(外資系でない)国内ホテルに多く見られる分類です。
販売経路毎に担当がつく事が多い組織では、担当毎の成果が図りやすいため普及してきたと考えられます。
しかし一方で、マーケティングミックスの中に「販売経路」が含まれています。
この為、あまり推奨できる方法ではありません。

 

目的型、価格帯型、チャネル型にせよ、最低限必要なのは「大分類として個人・団体を分ける」と言う事です。
個人・団体毎に予約の傾向が違いますし、先に「レベニュー・マネジメント視点の団体管理」でも触れた様に、団体の管理を適切に行う事が非常に重要になる為です。

完全に「個人・団体」に分類できないタイプのセグメントを運用しているホテルは、セグメントの変更を考える方が良いでしょう。

 

適切なセグメントを設定しセグメント毎にデータを集計できるようにする事が、需要予測に使用するデータの正確性・有用性を高めます。

どのようなマーケットセグメントを使用するかは、RMを始める前に非常に重要になるのです。

 

マーケットセグメントが適切に組み立てられているかどうかのチェックリスト

まず、個人・団体の階層が分かれている
普段話している作戦(戦略・戦術)の単位とズレていない
漏れなくダブりがない(スタッフが予約入力の際に迷わないかどうかで確認できる)
レポートで必要になる単位とズレていない
他に幾つも似たようなコードを持っていない
(チャネルコード、ソースコードとの類似性がないかどうかで確認できる事が多い)
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