レベニュー・マネジメント視点の団体管理

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レベニュー・マネジメント(RM)の視点から団体管理の要点を考えてみましょう。
RMにとって、団体管理は非常に重要な要素のひとつですが、残念ながら日本ではそれほど普及していないようです。

特に以下のケースに該当する場合には、団体管理が充分でないので要注意です。

  • 予想外の団体の減少により、売上予測(フォーキャスト)が頻繁にブレる
  • 団体を受注したので個人予約を制限していたが、直前の団体の減少に合わせて個人予約をかなり安価で販売を再開している
  • 団体の管理に相当の労力をかけている

団体管理を適切に行う要点は、以下の2つです。

  • リスクを適切に管理する
  • 管理のトリガー(きっかけ)の体系を作る

リスクを管理する

RMにとって、団体管理の必要性は「リスク管理」にあると言えるでしょう。
団体予約は主に以下の特徴を持っています。

  • 仮予約と言う、実際の宿泊は保証されないが「予約の優先権」を与える事が多い
  • 仮予約時点から実際の宿泊時点を比較すると団体の「予約件数」は減少する事が多い
  • また、仮予約時点から実際の宿泊時点で団体が利用する「室数」そのものも減少する事が多い

簡単に言うと、「今入っている予約室数通りに泊まるとは限らない。むしろ減る事が多い」という事です。
しかし、団体の予約状況の把握が充分でないホテルの場合は、次のような残念な流れになりがちです。

  1. 今団体が入っているからオンハンド(手持ちの予約状況)が良いと考える
  2. 強気の販売方針(客室の売り止めや高価格での販売など)を取る
  3. (ホテルとしては)予測外の時期に団体が取り消しになる
  4. 慌ててインターネットで安価な販売に変更する
  5. 結果、当初予想より大幅な減収となる

このような状況を回避する為には「団体がどの程度減少するリスクがあるか」を段階的に管理する必要があります。
その段階は、概ね「商談の進み方」と同じステップを踏む事になります。
この段階を「Group Reservation Status(グループリザベーションステータス:団体予約区分)」と言います。
※ 海外では個人予約にも Reservation Status を使用しています。

Group Reservation Status は、以下の通り管理するのが推奨です。

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  • Tentative:仮予約 全ての予約は仮予約から管理を開始する。減少リスク 大
  • Definite:催行確定 先方から明確に「宿泊する」という意思を確認したが、利用室数は未確定の状態。減少リスク 小
  • Final:最終決定 ネームリスト等を入手した事により、最終的な利用室数が確定した状態。減少リスク 無

※ 上記は、海外と商習慣が異なる日本で運用出来るように、亜欧堂が調整したものです。

それぞれの団体にこの Group Reservation Status を商談の進み具合に応じて当てはめて管理します。
海外のPMS(Property Management System:ホテルシステム)は、この Group Reservation Status を管理出来るのですが、国産のPMSは管理出来るものが無いようです。そこで、団体名の後ろに _TEN, _DEF, _FIN の様なコードを追加する事で、予約検索画面から仮予約、催行確定、最終決定のそれぞれの団体を確認出来るようになります。
あるいは団体の管理を一覧表で行っている場合、一覧表に上記の区分を設けてもよいでしょう。

より高度なRMでは、上記以外にもリスク管理をより細かく行えるようにするのですが、まずは Group Reservation Status の管理から始めると良いでしょう。これで、団体が入っている日にその団体が減少するリスクがどの程度なのかを(大まかではありますが現状よりはかなりましに)把握出来るようになります。

 

トリガーを作る

さて、 Group Reservation Status を導入しても、それが「ホテルに取って適切な時期に」商談を進める事が出来、更新される事が重要です。
簡単に言うと、「仮予約だと把握していても、宿泊日の1週間前迄放置していては駄目だ」という事です。
仮予約の期限、催行確定(ネームリスと入手)の期限をしっかりと管理して、期限切れにならないようにすべきです。

この当たり前の事が出来ていないホテルが、実は非常に多いのです。
理由は、期限管理の機能をPMSが持っていないから、といって良いようです。

多くの国産PMSは、仮予約の登録は出来ますが、催行確定と最終決定を分けて管理する事は出来ません。
また、仮予約で登録すると「残室に反映しない(100室のホテルで50室の仮予約があっても、残室は100室と表示される)」という構造的な欠点があります。
この為、ほとんどのコントローラーは仮予約の機能を使用せず、確定予約として入力する事で、残室を把握出来るようにしています。この結果、PMSには仮予約期限を入力出来ても実際には機能しないという状況になっています。
もうひとつの問題は、ホテル側の期限ルールが不明確であるという事です。ひどいケースでは、ルールが無い事もあるようです。
結果、相手側の希望通りに仮予約の期限を設定する事があり、「管理(コントロール)している」とは言えない状況になっています。

仮予約期限、催行確定期限のルールをホテル内で作成し、スタッフに周知徹底し、相手側に「予約条件の確認」を行う際に期限について明記する事が必要でしょう。
(因みに、管理が徹底しているホテルでは、仮予約時点で予約確認書を相手側に送付し、「催行が決まったらサインして返送してください」と依頼しています。大手旅行代理店ではほぼ問題なく対応してくれます)

期限のルールが設定されているホテルでも、期限内に確認作業が出来ていない事があります。
このようなホテルは、共通して「紙の団体予約書(オーダーシート)」を運用しているようです。
紙のオーダーシートは、宿泊日別にファイルされ、保管されている為「仮予約期限」が迫っている団体を把握する事が難しいのです。
結果、「宿泊日から3ヶ月前に確認する」という方法がとられがちなのですが、これは「仮予約から○日後を仮予約期限とする」という管理が出来ない事を意味します。
これらの問題を解消するには(本来は二度手間ですのでやりたくないのですが、PMSに機能がないので仕方なく)団体予約一覧表をエクセルで作成し、期限を設定しておく事がおすすめです。エクセルであれば、期限毎に並び替えたり、期限が切れたものだけを抽出したりする事が簡単に出来ます。

まとめ

RMの観点から団体を管理するには、以下の取り組みをする事をお薦めします

  • Group Reservation Status を運用する
  • 仮予約期限、催行確定期限のルールを作成する
  • 仮予約時点で予約条件の確認を書面で行い、「催行確定」には先方のサインを求める
  • 期限管理を行えるように団体一覧を作成する

この管理を徹底して頂くと、「予想外の団体の減少」を避ける事が出来ます。
RMは、「需要予測に基づき販売を調整する」ことで収益の拡大を目指しています。
団体管理は需要予測に大きな影響を与えますので、ぜひ体系的に管理に取り組んでみてください。

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