宿泊部門増収支援の事例紹介 01

レベニュー・マネジメント(RM)は高度なノウハウを持つ人物しかできないのでしょうか。実は、体型的なトレーニングと現実的なツールがあれば、誰でもできる様になるのです。

ルームコントロールの経験が全くなかったスタッフが、1年でRevPARを約125.6%に伸ばせた事例を紹介することで、亜欧堂がどのようにサポートしているかをご確認いただければと思います。
この施設はRevPARが単純に伸びただけでなく、競合他社と比べてもRevPARの成長率が高くなっています。(本年度のRGIは1.06)

 

3年ほど前、沖縄県内にある宿泊特化型ホテルでは、順調に売上を伸ばせているのか、疑問を感じ出していました。確かに毎年売上は伸びていて、営業担当からは好調であると言われています。
一方で、情報交換をしている近くのホテルの総支配人からは「もっと売上伸ばせるはずでしょう」とも言われていました。

 

そこで、縁あって亜欧堂にご依頼をいただきました。

 

このホテルの現状調査をさせて頂いたところ、下記の大きな問題が判明しました。

  •  旅行代理店のブロック数が総客室数の150%と「オーバーアロット」の状態である
  • このためオーバーブックを過度に恐れてOTAに在庫が十分に出せていない
  •  結果として、同地域の他ホテルに比べて10%程度稼働率が低い

 

そんな時に、コントローラーが退職してしまいます。小規模のホテルであったために、ルームコントロール業務ができるスタッフが他にはいません。
そこで、全く経験がないスタッフが急遽、ルームコントロールを担当することになったのです。

 

まずは旅行代理店からの予約数を予測できるように

旅行代理店(AGT)比率が30%を超える宿泊施設では、AGTの動向を無視してコントロールは出来ません。AGTブロックを提供していると、AGTからの予約は断ることはできないからです。
つまり今残っている部屋数(残室)から今後AGTから入ってくると予測される予約数(ブロック消化予測)を差引いた数がWEBなどで販売できる数になります。

 

販売可能数=残室数–ブロック消化予測数(+団体の減少予測:ある程度高度なのでこの時点では採用せず)

 

AGTの比率が高く、かつ周りの施設に比べて稼働率が高くない場合は「ブロック消化予測」が十分でないことが多いのです。
ブロック消化を過剰に多く予測するために、WEBで販売する数を抑えてしまう。
結果、全体的な稼働率が伸びにくくなってしまうのです。

この消化予測、ほとんどの施設ではコントローラーの感覚値になっているのですが、感覚値は正しいとは限りませんし、新コントローラーは未経験者です。

そこで、RMのノウハウを使って誰でも消化予測ができるようにしました。

 

具体的には以下の作業を行っています。

  1. 過去のAGTの予約の伸びをパターン化
  2. 現在のAGTの予約の入り具合とパターンを比較
  3. 比較を元に、AGTの着地予測の数を算出
  4. 着地予測数 – オンハンド数 = 消化予測数として算出

実際には、AGTの現在のブッキングカーブとパターンのカーブの波形を合わせるような作業をしています。形を合わせるだけですから、視覚的にもわかりやすいのです。

図の状況ですと、

  • 残室数 = 客室総数100室 – 全体OH32室 = 68室
  • ブロック消化予測 = AGT着地予測40室 – AGT OH10室 = 30室
  • OTA販売可能数 = 残室68室 – ブロック消化予測30室 = 38室

となるわけです。

この対策のおかげで、安心してWEBに在庫が出せるようになり、ほとんどオーバーブックをさせることなく稼働率はプロジェクト前の76.0%から81.7%へ約5%アップと上昇しました。

 

WEBのADRを伸ばす

WEBに在庫が十分に出せるようになるのと同時期に、ADRの改善にも着手しました。
具体的には下記の項目を見直しました。

  1. 最高料金・最低料金をADRから考えて妥当なものに変更
  2. 販売開始時点の価格を前年度の実績からみて妥当なものに変更
  3. WEBの販売料金をブッキングペースからみて調整
  4. 2名利用の料金を調整し、2名利用比率を高めることでADRを底上げ
  5. プラン構成を見直し、高単価のプランを販売開始

 

最高・最低料金の見直し

AGT比率が高いせいもあるのですが、WEBでの販売価格を十分に引き上げきれておらず、繁忙期にはかなり早い時期に満室になっていました。
逆に閑散期には販売価格の競争力がなく、十分に稼働率が上がっていませんでした。
そこで、ADRの目標値を元に、最高料金・最低料金の見直しを図りました。

このホテルでは、亜欧堂の支援前には料金ランクが5つ程度しかなかったのですが、沖縄の季節変動を考慮してランクを25段階に大きく拡張しました。

ほとんどの施設で、最高料金・最低料金は感覚的に決められているようですが、「ADRからみてこのくらいが妥当」という数値を検証しなければ、コントロールが難しくなるのです。

販売開始時点の価格を前年度の実績からみて妥当なものに変更

リゾート地域にあるこの施設ではかなり早い時期から予約が入ってきているのですが、販売開始時点の価格が妥当でないとあっという間に埋まったり、あるいは予約が伸びないままに当月に達したりという状況に陥りやすかったのです。
そこで前年度の実績と本年度の目標値を元に、販売開始時点の価格を決められるようにしました。

販売料金をブッキングペースからみて調整

WEB販売の料金は、ブッキングペースから判断するようにしました。
目標稼働を大きく上回る予測の日は、販売開始時点の価格から値上げを。
目標稼働を大きく下回る予測の日は、販売開始時点の価格から値下げを。
競合の料金を元にするのではなく、予測を元に自社にとって望ましい価格が設定できるようになりました。

2名利用比率を高める

1名料金と2名料金を分けて販売している施設では、ほとんどの場合2名利用料金の方がADRは高くなります。
そこで、2名用のプランを増やしたり2名料金を調整したりすることで2名利用の比率を高めました。
これらの見直しにより、2名利用比率は27%→34%に上昇しました。

プラン構成を見直し

プランを主に価格帯別に9つのカテゴリーで整理し、それぞれのカテゴリーにプランを作成しました。この結果、高単価商品のラインアップが充実しました。

 

ADRは116.8%に上昇

これらの結果、ADRはプロジェクト前に比べて116.8%に大きく上昇しました。

 

そして次のフェーズへ

1年間のプロジェクトにより、新人コントローラーは自信を持ってコントロールができるようになり、RevPARも大きく改善できました。
2年目も順調に伸びており、RevPARはプロジェクト開始直後の1年間からさらに125.3%に伸びています。
プロジェクト開始前と比べると2年目のRevPARの伸びは157.4%となっています。

現在では応用編に進み、WEB販売だけでなくAGTブロックや料金の見直し、団体管理の高度化、フロント生産性向上と様々な分野にチャレンジしておいでです。

そして、増収を原資に2年連続でスタッフの待遇を改善し、さらにより良い滞在経験をお客様に提供できるように取り組んでいらっしゃいます。

 

この事例のような、レベニュー・マネジメント導入による宿泊部門の増収にご興味のある方はお気軽のお問い合わせくださいませ。

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